Nano Insight Japan

【AGCエスアイテック】
真球状、花弁状、板状、中空状ファインシリカ
~化粧品フィラーから5G・6G次世代通信用低誘電率材料まで~

2021年12月15日

AGC

AGCエスアイテック株式会社は、AGC株式会社(旧旭硝子株式会社)のグループ企業の一員として、ゼオライトの製造販売を目的として1948年に設立された。その後製品を展開し、シリカテクノロジー(社名の由来は シリカ「SiO2」→Si:エスアイ、技術:テック)を究極まで追求し、各種ファインシリカ製品の開発・製造・販売を専業とする会社となった。以来、真球状、花弁状、板状、中空状等独特の形状で、それらの嵩比重、比表面積、空孔率を制御し化粧品フィラー、クロマトグラフ用充填剤、触媒担持用担体等々のユーザーの要求に応える製品を供給し、各分野の発展に貢献してきた。今回nano tech 2022に、真球状シリカ(商品名:サンスフェア)、花弁状シリカ(サンラブリー)、鱗片状シリカスラリー(サンラブリーLFS)、中空シリカの4点を出展する。中空シリカは新たに開発したもので、低誘電率をメインターゲットに、5Gさらには次世代の6Gへの対応も視野に入れた材料特性になっており、かつ分散性がよく取り扱いも非常に容易なものである。 以下に記す展示品を、電子機器、化粧品、塗料、フィルム、コート材メーカー等の方々がブースで目にし、説明を受けて、新製品開発のヒントあるいは課題の解決策を見出すきっかけが生まれることを願っている。

1. 真球状シリカ(サンスフェア)

サンスフェアは、水ガラス由来の真球状多孔質シリカである(図1右)。多孔質シリカは、珪酸(酸化珪素の水酸化物)同士がシロキサン結合(Si-O-Si)によりナノサイズの一次粒子(図1左)になり、それが凝集することで二次粒子になったもので、一次粒子の間隙が多孔質体の細孔になる(図1中)。分かりやすい例が、おにぎりである。米粒が一次粒子で、それをにぎる(凝集)事により、おにぎり(二次粒子)が出来る。その米粒と米粒の隙間が細孔である。  
サンスフェアの製品例を表1に示したが、その最大の特徴は多孔質・高比表面積である(Hシリーズ、表1左)。また、AGCエスアイテックの独自技術により、低比表面積タイプ(Lシリーズ、表1中央)、無孔質タイプ(NPシリーズ、表1右)、他高細孔容積品等もあり、幅広くラインナップを取り揃えている。
現在の用途の第一は、化粧品用フィラーである。効用は、①球状であるためローリング効果があり感触がよくなる、②貫通細孔による毛細管現象で水や油を吸い化粧崩れを防ぎさらさら感を発現、③表面に細かい凹凸があり、光を散乱し、しわやシミを目立たなくする、④香料や薬剤を細孔に保持し香気を徐放する等である。化粧品以外では、シートやフィルムを作製する樹脂に混入すると、それらが適度なクリアランスを与えることによりアンチブロッキング効果を得ることができる。さらに、触媒、紙、セラミックス分野でも多くの効能を発揮している。

図1: サンスフェアの形成過程(左)と外観(右)

表1: サンスフェアのラインナップ(一部をピックアップ)

Hシリーズ Lシリーズ NPシリーズ
通常タイプ 高吸油タイプ 低比表面積 無孔質
H31 H201 H22 H122 L31 L51 NP30 NP200
平均粒子径(µm) 3 20 3 12 3 5 4 20
比表面積(m2/g) 800 800 700 700 300 300 4 100
細孔容積(mL/g) 1 1 2 2 1 1 0.05 0.1
細孔直径(nm) 5 5 10 10 13 13
吸油量(mL/100g) 150 150 300 300 150 150 30 40

2.花弁状シリカ(サンラブリー)と鱗片状シリカスラリー(サンラブリーLFS)

サンラブリーは平均粒子径5µmの、世界で唯一の花弁状シリカである。板状の一次粒子、それが重なって2次粒子、さらに二次粒子が凝集することによって花弁状結晶となる。セラミックス・無機系被膜・コーティング材用バインダー、調湿・吸着・脱臭材用バインダー他様々な工業用途向け新しい製品開発のソリューションが期待できる。
サンラブリーLFSは、鱗片状のシリカ二次粒子(図2下)を、水中に分散したスラリーである(平均粒径0.5、1.5µm)。常温乾燥において無機材料としては特異な自己造膜性がある。また、有機コーティング材料へ配合することで、被膜中に配向して積層し、バリア性、強度向上、 表面親水性、耐熱難燃性などの効果を付与することが期待できる。

図2: 花弁状シリカ(サンラブリー)

3. 中空シリカ

中空状の無機粒子は、これまでガラスバルーンやナノ中空シリカが市販されているが、当社はこれまで手薄だったミクロン~サブミクロンの中空シリカを開発した(図3)。
中空部のサイズによって発現される機能が変わる。サブミクロンの中空シリカでは、UV領域にまで及ぶ特徴的な光散乱性を持ち、ミクロンサイズの中空シリカは組成物中で低誘電化を実現できる。
また、媒体が内部に浸透しにくいた め、組成物中でも中空構造が活かせる ことも特徴である。例えば、水中に1 か月浸漬させても、中空構造に由来した光散乱性を維持する(図3(右))。 中空シリカの比重については、水に合わせた比重1g/cm3や、中空部を大きくしてそれより低い比重に調整することも可能である。  
以上出展品を紹介したが、ブースにてファインシリカ技術の奥行きと拡がる可能性を実感願いたい。

図3: 中空のSEM画像(左)と水スラリーの外観変化(右)

(注)図表は総てAGCエスアイテック株式会社から提供されたものである

小間番号 : 2L-16  

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