Nano Insight Japan

【日立ハイテクノロジーズ】
ディスプレイ保護フィルムからリチウム電池電極まで様々な解析に ナノ3D計測ソリューション 〜SEM・AFM・白色光干渉の特徴を活かし、連携してユーザ−フレンドリーに〜

2018年12月18日

日立ハイテクノロジーズ

近年、材料や製品の研究・開発、さらには生産現場において、製品の性能・機能の向上を図るため、表面のナノレベルの凹凸やうねりなどの形状やその物性などの評価が不可欠となっている。日立ハイテクノロジーズ株式会社(日立ハイテク)は、ナノ3D計測の3つの手法:ナノプローブ計測(AFM)、光干渉計測(CSI)、走査電子顕微鏡(SEM)の最新製品を提案する(図1)。これらのナノ3D形状計測は、ディスプレイ保護フィルムの平滑性、LSI基板の平坦度、Niメッキ面、リチウム電池電極面などの品質評価に利用されている。  
各製品はそれぞれの最先端の性能を発揮すると共に、使用や保守の利便性や、用途に応じたデータ処理等の機能の向上を図っている。特に、これら異なる機能の装置を連携させて形状測定を実施するナノ3D計測ソリューションを提案する。AFMとCSIを連携することで、図2に示すように、分解能は0.1 nm以下で、測定エリアは1 nm以下から8桁上の10 mm近くまでをカバーして3D計測が可能となる。 また、SEMとAFMで同一視野を観察しデータの相関分析を行う手法も提案している。 以下、システムごとにソリューションの一端を紹介する。

図1: 日立ハイテクが提供する3種のナノ3D計計測システム

図2: ナノ3D計測の分解能と計測範囲

(1)ナノ3Dプローブ計測システムAFM5500

AFMは、カンチレバーの先端に設けた先端半径10 nm以下の針に作用する試料面からの力によるカンチレバーの振幅変化を感知して表面形状を測定する。高い空間分解能を有し、シリコン基板などのサブナノオーダーの粗さやサブミクロンオーダーのハイアスペクト形状や微細加工されたパターン形状の計測ができる(図3)。  
歪みのない正確なナノ3D計測には、簡便で正確な操作、精度の高い走査機構、詳細な解析が必要になるため、AFM5500では、「自動化」、「信頼性」、「親和性」を追求した。例えば、失敗も多く熟練を要したカンチレバーの取り付けや交換を自動化した。また、試料台に複数サンプルをセットし、サンプルごとに測定から、解析、データ保存に至る一連の操作をレシピ化し、自動ステージにより複数箇所の連続測定を可能にした。 AFMでは上記形状測定に加えて物性測定ができる。図4左は針に押圧をかけて車載用ブレンドポリマー(合成ゴム)の弾性率像を取得した例、図4の中と右は針の先端を導電材でコートして電流が流れるようにしてリチウム電池電極面の電気抵抗分布を測った例である。

図3: AFMによる微細加工パターン測定例 *AFM5500Mで測定

図4: AFMによる物性測定:(左)ゴムの弾性率分布、(中と左)Li電池電極の電気抵抗分布
*AFM5300Eで測定 ゴムデータご提供;(株)三井化学分析センター 中島様 生井様

(2)ナノ3D光干渉計測システムVS1800

図5: ナノ3D光干渉計測の構成

この装置は2018年10月に製品をリリースした。この装置は図5のような光学系から構成され、レンズ内にミラーを設けて試料面と参照面からの戻り光の光路差によって生じる干渉縞の明暗から高さ情報を得る。0.01 nmの垂直分解能を持ち、非破壊・非接触、ワンショットで最大6.4 mmをカバーし、広域・高速の形状計測が特徴である。干渉を利用した測定のため、分解能は対物レンズ倍率によって変わることはない。2.2 mm角で5 nmの薄膜段差、高低差530μmのネジ山形状が測定できた(図6)。

図6: ナノ3D光干渉計測システムによる薄膜段差とネジ山の計測

図7: Oリングのパラメータ評価

一方、表面形状は様々なパラメータで評価される。2010年三次元表面形状に関する国際規格ISO25178が制定されており、これを参考にした解析ツール「ISO25178パラメータ比較ツール」を搭載している。これにより多数あるパラメータから適切なものを選び出すことが容易に行える。このツールを利用して、Oリングのリーク不良はシール部表面粗さ分布の対象性を表すパラメータで評価できることがわかった(図7)。

(3)SEMとAFMとCSIをリンク

走査電子顕微鏡は(SEM)は走査電子線によって試料から放出される二次電子を検出・画像化して形状を観察する。さらに、電子線照射によって放出されるX線を解析して元素分析、電子線の後方散乱を用いて結晶方位解析の機能を持たせることができる。SEMとAFMのコラボレーションにより、SEMによる形状観察、組成、元素分析等と、AFMによる3D形状計測、電磁気物性、機械物性を同一箇所で測定し、それぞれのデータの相関評価を手軽に実現するための新たなソリューション”SÆMic.(Scanning Atomic and Electron Microscopy)”が提供された。リンケージ用共通試料台を用意し、アライメントマーク、測定座標を共用して、自動的に同一場所での解析評価を可能にした。また、雰囲気遮断共通ホルダを使用してイオンミリングにより表面を加工した後、大気非暴露でSEM、AFM間の搬送を行うシステムも提供している。AFMは真空環境下での測定が可能な環境制御型ユニットAFM5300Eが使用される。図8には雰囲気遮断共通ホルダによって得られたリチウムイオン電池正極材の組成分布を示した。 その他にも様々な連携活用がある。SEM、AFM、CSIを組み合わせるとクロスチェックになりデータの確からしさが確認できる。また、CSIの広視野の特徴を活かし、AFMで局所観察する位置決めに利用できる。  
日立ハイテクは、AFM、白色光干渉、SEMの3つのナノ3D形状計測技術を持つ。その特徴を活かし、連携させることによって、物性を含めたナノ3D形状計測ソリューションを提供する。多くの機能を持ち、様々な応用例、豊富な解析例が積み上がっている。展示ブースでは本稿で割愛した多くの有用な情報が得られるだろう。

図8: SAEMicにより得られたLi電池電極の組成分布

(註)図は全て日立ハイテクノロジーズ提供

小間番号:5J-08

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