Nano Insight Japan

【住友重機械プロセス機器】
独自の撹拌技術でナノ分散に挑戦する住友重機械プロセス機器
~NANOVisKで超高粘度液中でも微細分散が可能~

2018年11月29日

住友重機械プロセス機器

図1:住友重機械プロセス機器の撹拌装置ラインナップ

粒子が小さくなると活性が増してその物質の機能は一層発揮しやすくなるが、ナノ粒子は凝集しやすく均一分散が難しい。このナノ分散に独自の撹拌技術で挑戦した機器が出展される。この機器を開発した住友重機械プロセス機器のnano tech展への出展は今回が初めてとなる。同社は大型化学プラント機器や製鉄プラント機器の製造およびエンジニアリングを手掛ける企業であるが、近年は、特に、独自の撹拌装置技術を背景にファインケミカル向け撹拌槽事業に力を入れている。同社の撹拌槽は、低粘度液から高粘度液まで広い粘度域で効率的な混合が可能なMAXBLEND®(マックスブレンド)としてスタートした。顧客の要望に応えながらより広範な液物性への対応や高粘度域での分散性能を進化させてシリーズが発展し、現在では一般的な撹拌槽では取り扱いが難しい超高粘度液へのナノレベル分散も可能な機種も開発され、MAXBLEND® の他、それぞれ独自構造の撹拌翼を持つSUPERBLEND(スーパーブレンド)、TORNADO(トルネード)、LvBLEND(エルブイブレンド)、NANOVisK(ナノビスク)など七つのシリーズが提供されている。
nano tech 2019では撹拌槽による高分散、微細化をキーワードとして顧客のニーズに応えるべく、NANOVisKを中心にMAXBLEND®、SUPERBLEND、LvBLENDなどが紹介される(図1)。超高粘度液での分散や微細化が可能なNANOVisKが出展の中心となるが、ここでは同社の撹拌技術の発展を追ってこの四つの撹拌装置の特徴的構造を簡単に見て行くことにしたい。

(1)各撹拌装置の特徴で技術の発展を追う

a)MAXBLEND®

シリーズで最初に開発されたMAXBLEND® は、ボトムパドルと上部グリッドを一体化したユニークな構造の翼を持つ撹拌装置である(図2)。ボトムパドルによる強力な吐出流により、理想的な槽内全体循環流が形成され、その過程で縦方向に連続した上部グリッド部を通過し、継続的な剪断力を受けることにより均一な分散と微細化が促進される(図3)。これにより数mPa・sの低粘度から数10万mPa・sの高粘度まで広い粘度域で、槽内の液面高さに影響を受けることなく効率的な撹拌が実現される。1985年の上市以来、固・液撹拌、液・液撹拌、気・液撹拌用の撹拌装置として約2000基の納入実績を有している。

図3:MAXBLEND® 翼による槽内流れ

図2:MAXBLEND®の構造

b)SUPERBLEND

MAXBLEND®よりさらに高粘度液の撹拌性能を高めるため、MAXBLEND® 翼の外側に独立に回転するヘリカルリボン翼を付け加えた構造である(図。槽内流の粘度領域に応じた内・外翼それぞれの混合機能の相乗効果により、反応中の急激な粘度変化にも追従し、良好な流動状態が保持され、100万mPa・s以上までの広範囲な粘度領域に亘り均一な分散と微細化が可能となった(図4)。

c)LvBLEND

LvBLENDはパドル翼の翼部を傾斜円弧形状にした同社独自のパドル翼で、従来のパドル翼と同等の混合性能を維持しつつ、高剪断効果で分散性能を高めた撹拌翼である(図5)。

図5:LvBLEND翼

図4:SUPERBLENDの構造

d)NANOVisK

NANOVisKはSUPERBLENDの槽底部に高速回転するディスパー翼を設置した構造で、これまで困難であった1000万mPa・sまでの超高粘度域での微細化・均一化を可能とした撹拌装置である(図6)。従来であれば微細化を担う分散装置と混合装置(槽)を分けねばならなかったところを一体化した装置と言える(図7)。NANOVisKは内側のゲート翼を除いた1万~10万mPa・sに特化した高粘度用(図8)と、内側ゲート翼を有する10万~1000万mPa・sに特化した超高粘度用(図9)の二種類がラインアップされている。

図7:NANOVisKの統合機能

図6:NANOVisKの構造

図9:超高粘度用NANOVisK

図8:高粘度用NANOVisK

(2)NANOVisKの特徴

a)NANOVisKの適用域

図10:撹拌・分散装置と適用粒子径vs液粘度の関係

従来の分散装置に比べNANOVisKの適用域は大幅に拡大された。これまでは、要求される粒子径に応じてパドル翼、タービンプロペラ翼、ビーズミル・ボールミル、高圧ホモジナイザーなどが使い分けれられてきた。これらで取り扱える液粘度は1千mPa・sに達しないが、住友重機械プロセス機器の提供する各撹拌装置はこれらより遥かに高粘度に対応が可能である(図10)。なかでもNANOVisKは、適用粒子径をサブミクロン領域にまで拡大している。

b)NANOVisKのメリット

NANOVisKではディスパー翼による局所的に高剪断力を受けた液が槽内全体に均一循環することで、高粘度液中で均一微細分散が可能となり、従来の装置に比べシャープな微細化が達成される(図11)。このようにNANOVisKは、これまでの撹拌槽では難しかった液粘度の大きく異なる液体の混合や、高粘度液体への粉体分散が単一の撹拌槽で可能になる。また、これまで分散と混合に分かれてきた機能の統合で、イニシャルコスト、ランニングコスト、設置スペース、コンタミなどの低減も期待できる。

図11:NANOVisKによる微分散効果(左:高粘度用、右:超高粘度用装置による)

3)撹拌装置の選定および装置設計

住友重機械プロセス機器は機器選定のためには顧客のテストが必須と考え、自社内にテスト装置を設置するとともに防爆タイプの貸出用テスト機も用意している。これらで得られたデータから顧客の要求に沿う最適な装置の選定、および設計が行われることになる。  nano tech 2019ではアクリル製で内部観察が可能なNANOVisKのデモ運転が予定されている。ブース4F-27にてNANOVisK内部の流動状態を是非ご覧頂きたい。

小間番号:4F-27

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