Nano Insight Japan

【三菱化工機】
ナノサイズ微粒子スラリーの分離・回収と分級のニーズに応える三菱化工機
〜微粒子ろ過のダイナフィルターと微粒子分級のディスクセパレータ〜

2018年2月1日

elionix

近年のナノ粒子技術の発展に伴いナノ粒子スラリーを取り扱う機会が増えている。ナノ粒子を含むスラリーから、ナノ粒子の分離・回収や粗大粒子の除去のような分級のニーズに応えるべく、三菱化工機は今回のnano tech 2018に、三菱ダイナフィルターと三菱ディスクセパレータとを出展する。三菱ダイナフィルターは円盤状のフィルターエレメントを回転させながらろ過するろ過機で、ナノメートルオーダーのろ過精度を有している。また、三菱ディスクセパレータは、ナノ粒子を含むスラリーから粗大粒子の除去・分級に適した分離板式の遠心分離機である。ここでは三菱化工機からの取材を基に出展の狙いやこれらの特徴を簡単に紹介する。

三菱ダイナフィルター

図1:シングル機ろ過モデル

図2:セラミックスフィルター
   左:φ312、右:φ152

 三菱ダイナフィルターのろ材は円盤状のフィルター(ディスクフィルター)で、ろ材全面から流入する液体はフィルター内部を通って中空の中心軸部に集まり排出される。ここまでは普通のディスクフィルターと同じであるが、三菱ダイナフィルターではフィルターを中心軸の周りに毎分1000回転で高速回転させている。すなわち、中心軸はろ液の排出管であるとともに回転軸の役割も果たしている(図1)。フィルターを高速回転させることで、ろ材表面に付着する粒子はせん断力により剥離され、微粒子がケーキとなってろ材表面に堆積することを抑制し、ろ材表面は常に清浄な状態に保たれてろ過抵抗の上昇も少ない。ろ過室に残された粒子は濃縮液として排出される。ろ材は耐溶剤・耐薬品性に優れるセラミック製で、ろ過精度を表す平均細孔径は5 nmから2000 nmまで7種類あり、フィルター径も装置サイズに合わせてφ152とφ312の2種類が用意されている(表1、図2)。

表1:セラミックフィルター細孔径

図3:実験室用の最小機種(DyF152/S)
    フィルター:φ152、1枚
    ろ過面積:0.034 m2
    内容量:240cc

機種はユーザー開発初期段階の少量使用に適した小型機から、大量製造に対応する大型機まで各種のサイズが揃えられている。特に最小のDy152/Sは実験室での使用を考慮したろ過面積0.034 m2の超小型機でありながら、基本性能は製造機と全く同一である(図3)。スケールアップはディスクフィルターのスタック枚数を増やすことで行われ、φ152のシリーズではスタック枚数35枚でろ過面積1.19 m2まで、φ312のシリーズではスタック枚数72枚でろ過面積9.22 m2までラインアップされている(図4、図5)。 何れの機種も防爆仕様に対応が可能で、小型機で開発した条件がそのまま製造機に移行できる。

図5:DyF312/36d
フィルター:φ312、36枚
ろ過面積:4.61m²

図4:DyF152/36d
フィルター:φ152、35枚
ろ過面積:1.19m²

ダイナフィルターのキーとなる技術は回転部のシールとろ材である。回転部シールについては多くの実績を持つ三菱化工機は、今回の三菱ダイナフィルターの開発に当たりろ材の開発に挑戦した。金属製機械製造を得意とする同社にとってセラミックフィルターの開発は全く新しい分野であり、"メカ"と"ろ過"とを組み合わせた総合技術でユーザーのニーズに応えたいという強い意欲の表れと言えよう。

このろ過機にはいろいろな使い方が考えられるが、そのひとつに微粒子の洗浄・溶媒置換が挙げられる。濃縮液の排出口を閉めた状態で運転し、ろ過室に微粒子が蓄積したところでスラリー供給を洗浄液、もしくは置換したい溶媒に切り替える。微粒子と新たな溶媒はフィルターの回転力で攪拌混合され、微粒子に付着していた前工程の残留不純物は洗い落される。従来はろ過したケーキを一旦取り出し、リスラリーや再分散を繰り返す必要があった洗浄や溶媒置換が一つの工程にまとまり、作業効率が大幅に向上する。三菱ダイナフィルターは有用微粒子の回収ばかりでなく、不純物としての微粒子除去の目的にも対応できることは言うまでもない。

同社は研究開発用の最小型機DyF152/Sを、高効率なナノ微粒子分離・回収用の実験機器と位置づけ、日立工機と提携して営業活動の強化を図っている。nano tech 2018では日立工機のブースでDyF152/Sのデモ運転が、三菱化工機のブースでは製造機の展示と内部構造の説明が予定されている。

三菱ディスクセパレータ

図6:ディスクセパレータの構造

図7:三菱ディスクセパレータ(SJ10F)
仕様:標準処理量 1,600L/h
最大遠心力:11,150G
外形寸法:幅910×奥行1,000×高さ1,025mm

三菱ディスクセパレータは三菱化工機が長年にわたり実績を積んできた分離板式の遠心分離装置である。これまで、分離板式遠心分離機は比重の異なる二相液体の分離(液-液分離)や固-液分離に使われる例が多かった。しかし、最近のナノ微粒子製品の応用拡大とともに、強力な遠心力を利用してナノ微粒子スラリーに含まれるサブミクロン級粗大粒子の分離にも活用されるようになってきた。ディスクセパレータへの供給流量を変化させると分離する粒子径が変わり、製品となる流出液に含まれる微細粒子のサイズを調整する分級操作が可能である(図6)。捕捉された粗大粒子は排出孔から間欠的に自動排出されるので、排出間隔を短くすることでほぼ連続的な運転を行うこともできる。装置の最大処理能力は1,600 L/hから29,500 L/hまで7機種が用意され、何れも防爆仕様が可能である。nano tech 2018に出展されるディスクセパレータは、ナノ微粒子スラリー対応にするため、これまで以上に装置内や配管への粒子不着を防止するべくサニタリー仕様に仕上げられたものである(図7)。

 三菱化工機ではダイナフィルターやディスクセパレータが、ナノ微粒子スラリーを対象とする微粒子分離・回収・分級などの工程で一層活用されることを期待している。詳しくはnano tech 2018の展示ブース(三菱化工機:5C-11、日立工機*):4G-15)でお確かめ頂きたい。

*)日立工機のブースでは実験室用ダイナフィルター(DyF152/S)のデモがあります。

 

小間番号:5C-11

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