Nano Insight Japan

【ティ・ディ・シー】
高精度な研磨を得意とし、研磨の無理難題を大歓迎するティ・ディ・シー
~超精密な研磨技術で高精度なモノづくりを可能に~

2018年1月26日

TDC

株式会社 ティ・ディ・シーは高精度研磨加工を得意とする宮城県の企業である。同社は金属全般に加え、セラミックス、樹脂、ガラスなどの多種多様な素材をナノメートル単位の精度で超精密研磨加工する技術を有している。例えば、研磨精度はRaで1nm程度、平面度で30nmを達成、10 cm程度のワークサイズに対し、寸法精度は±100 nm、平行度100 nm、角度精度は±3秒が可能としている。10cmのワークサイズに対する100nmの寸法精度とは、100mの大きさに換算すると0.1mmの誤差に相当する超高精度である。研磨粗さについてはステンレスでRa 0.5nm、光学結晶でRa 0.1nmを切る実績もある。切削や研削のような機械加工で部品の寸法精度を±100nm(±0.1µm)に抑えることは大変難しいが、同社の超高精度研磨技術を使えば、高い寸法精度の部品加工を実現することは容易であるという。

同社はこの高い研磨加工技術でさまざま顧客のニーズに応えて行きたいとしている。実際にこれまで、他社では不可能と言われた仕事を多数引き受けそれに応えた実績を持っている。このように、他社に出来ないレベルの研磨を可能とする原動力は何だろうか。社長に話を聞いてみると次のような幾つかの要因が浮かんだ。

周りのメンバーのアイディアを活かす

新たな難しい開発案件を受けると数名の担当が決まり、そのメンバーが中心となって研磨技術の開発が行われる。大概は簡単には達成できず問題が発生するが、そのようなときは周りのメンバーからもいろいろな意見が出される。休憩時間や手空きの時間に自然とそのような話が盛り上がり、その中で出たアイディアを参考に改良が加えられる。必要であれば装置なども自社で作るという。このように、ティ・ディ・シーには難しい問題にみんなで取り組もうというチームワークの良さが感じられる。同社の雰囲気はYouTubeにアップされているビデオ(https://youtu.be/lh760UGP2yo)をご覧いただけると良く伝わると思う。   

高度な測定器を使いこなす

次に重要なことは、ティ・ディ・シーは自社内にAFM、レーザー干渉計、三次元形状測定器などを始めとする各種の高精度な測定器を備え、これらを研磨作業者が自身で操作できるということが挙げられる。これらの測定器が無かったころは、研磨した結果が出るまでに時間が掛かり、それがともすれば作業者のモチベーションを低下させることもあった。今は研磨した結果を直ぐに自分で確かめることが可能になり、フィードバックも容易でモチベーションも上がり、開発効率も大いに改善されたという。

経営者の意気込み

難しい課題に取り組むことは自社技術のレベルアップに繋がるとして、量の少ない仕事にも積極的に応じる姿勢である。

研究機関との連携

自社だけで対応が難しい課題には大学などの研究機関と連携し、技術の向上を図るコネクションを持つ。 

ティ・ディ・シーの持つ高い研磨技術はさまざまな用途に利用されているが、今回のnano tech 2018では、SiCウェハ、鏡面加工された金属ロール、鏡面加工された長尺の金属箔、ミクロンサイズのサイコロ(立方体)などが紹介される。これらを実際に目で見てティ・ディ・シーの超高精度研磨加工技術をお確かめいただきたい。

SiCウェハ

パワー半導体材料のSiCはダイアモンドに次ぐ硬度を持ち、ウェハの研磨プロセスコストがネックとなっていたが、東北大学との共同研究で行った「SiCウエハの高効率研磨技術の開発」の成果により短時間、低コストで高品質(粗さ、TTV)を実現することができた(図1)。

図1: SiCウェハ

鏡面加工ロール

光学用樹脂フィルム製造用の鏡面ロールで、最大サイズはφ500mm、長さ3000mmまで対応できる。ステンレス、アルミ、ニッケル、チタン、ガラス、シリコンなど多様な材質の円筒形状の研磨が可能である(図2)。

図2: 鏡面研磨ロール

長尺の表面研磨金属箔

 厚み100µm以下の金属箔を100mほどの長い状態でRa1nmの面粗さに研磨したもので、研磨加工装置まで自社で開発した(図3)。グラフェン膜の製造などの用途に使用されている。対応が可能な素材もステンレス、真鍮、ニッケル、銅などに拡大されている。

図3: 表面研磨金属箔

ミクロンサイズのサイコロ

 一辺50µm、100µm、150µmの金属キューブが、精確な寸法の微小立方体が必要という顧客の要求に応えてラップ加工で作られた(図4)。 チッピング、バリ、ダレがなく加工できるのが同社のラッピング研磨の特徴であり、ナノテク展では顕微鏡を通して現物をご確認頂ける予定だ。

 nano tech 2018での展示はないが、「はやぶさ2」のサンプル回収容器内部の研磨はティ・ディ・シーが担当した。2014年12月3日に打ち上げられた小惑星探査機「はやぶさ2」は、小惑星「リュウグウ」に着陸してサンプルを持ち帰る計画であり、微細なサンプルも確実に捕捉できるようサンプル容器内部には入念な研磨が施されたという。

図4: ミクロンサイズのサイコロ

 また、同社は海外企業との連携にも積極的で、本展示会においては2016年から業務提携を行っているドイツ企業ZOZ社も来日する。世界中で注目されているZOZ社独自の『高効率粉砕技術』(http://gmbh.zoz.de/?page_id=1072)は、「粉砕」によってナノ構造を作り込んだ新素材の開発が可能になったり、超高速回転によるメカニカルアロイングによって材料特性の向上が可能となったりする。nano tech 2018において本技術の詳細を紹介する。

図5: ZOZ社の粉砕装置Simoloyer

小間番号:5D-17

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