【三菱商事】
「高い安全性を備えたビーズ化カーボンナノチューブ」 - コンパクトで飛散を防ぎ安全に取り扱え、流動性良く後工程の生産性を向上 -

2017.2.1

カーボンナノチューブ(CNT)が「夢の材料」と言われながら、関係者の期待通りに産業化が進んでいないのは、CNT取り扱い上の安全性と生産性に問題があったからである。三菱商事は、CNTを約2mm径に造粒(ビーズ化)することにより、これらの問題を解決する技術を確立しビーズ化CNT 、Durobeadsを開発した。nano tech 2017にはその開発した造粒技術、ビーズ化CNTおよびその応用製品を出展する。以下、これらの技術内容の概要を紹介する。CNTおよびそのアプリケーションに関心のある方々がブースに立ち寄られ、技術ライセンスを含め更なる技術開発・商談の機会とされることを期待する。

【 ビーズ化CNT 】

CNTは繊維径が細くかつ繊維長も長くさらに比表面積も大きいため、その嵩密度は0.01~0.02g/ccと極めて低い。多くの空気を保有した状態の粉体であるため、取り扱い時において飛散が多く作業者が吸引摂取する危険性も高い。また嵩高いため、包装コスト、輸送コスト、倉庫コストも増大するというデメリットがある。これらの問題を解決したのがビーズ化CNTである。その外観を図1に示す。

図1:従来のCNTとビーズ化CNTの外観


1.ビーズ化CNTの製法と形態

分散されたCNT表面に、CNTに良く馴染みかつプラスチックや合成ゴムと相溶性のある樹脂を被覆する。この樹脂で被覆されたCNTを雪だるま式に凝集させて直径0.5~2mmの球状にしたのが、ビーズ化CNTである(図2)。この樹脂の融点は105℃くらいと低いものから選ばれており上述の相溶性と相まって、ビーズ化CNTをプラスチックや合成ゴムと混合した複合材を形成し易くなっている。

図2:ビーズ化CNTの生成プロセスと生成されたビーズ化CNTの表面と断面

2.ビーズ化CNTの特徴

コンパクトで高い流動性:応用製品製造工程の生産性を向上

嵩密度はCNTパウダーに対し約10倍になっている(図3(左))。これにより包装コストや輸送コスト、倉庫コストの低減ができる。また、粉体輸送で大きな問題になるブリッジ現象を起すことなく極めて流動性が良く(図3(右))、工程の自動化も可能である。

 

図3:ビーズ化CNTの嵩密度と流動性


低い飛散量(再発粉じん量:レスピラブル量):安心して取り扱える高い安全性

図4に飛散量を従来品と比較して示した。樹脂10%コーティング品の飛散量は、CNT原料飛散量の1/730である。飛散したCNTを吸い込むことなく安全に取り扱うことができる。

図4:ビーズ化CNTの飛散量

複合材への高い配合量:幅広い製品設計が可能

CNTコーティングに用いた樹脂は低融点で、かつ複合材のマトリックスとなるプラスチックや合成ゴムと相溶性の良いものが使われているので、ビーズは複合材のマトリックスの中で分解し、出てきたCNTがマトリックス中に分散しCNT-マトリックス複合材が形成される。この方式により、CNT配合量を従来の1.6~3.5倍まで高めることができる。

低い水分吸着量:品質の安定化を実現

ビーズ化CNTは水分吸着量を大幅に低減する(図5)。湿気対策が課題であった従来品と比べ取り扱いが簡単であり、安定した製品品質を保つことができる。

図5:ビーズ化CNTの水分吸着量

本技術はメーカー問わず多種多様なCNTに適用可能である。また、プラスチックや合成ゴムとの複合材化、樹脂・ゴムの導電化、電池分野、塗料等をはじめ多くの応用が考えられる。より詳しい技術内容は、技術ライセンスを含め、ブースにて確かめて頂きたい。

註)図は全て三菱商事提供

小間番号:4G-25

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